緩和ケアの取り組み
当治療院では、鍼灸マッサージという伝統療法による緩和ケアに積極的に取り組んでおります。
緩和医療における鍼灸マッサージ療法
緩和ケアとは、がんそのものによる痛みや、がん治療によるつらさ、
また療養生活に伴う苦痛やがん以外の痛みなどの苦痛を和らげ、
今まで通りの質の高い日常生活を過ごすための治療や援助をすることを意味しています。
近年は緩和ケアに鍼灸マッサージ療法を取り入れている医療機関も増えてきました。
また世界では欧米を中心に、既に緩和ケアに鍼灸マッサージ治療が組み込まれております。
緩和ケアにおける鍼灸マッサージ治療は、以下の点で効果が期待できると考えられます。
- 抗がん剤治療による副作用の痛みやしびれの緩和
- リラックスするなどの精神状態に対する効果
- 闘病生活などの長期臥床による筋肉痛の緩和
- 呼吸困難など終末期における苦痛の緩和。
鍼灸マッサージ治療は副作用が少なく、手術後や放射線治療などほかの治療法と併用でき、
また病期の進行状態にかかわりなく発病から終末期まで治療が可能となります。
免疫力の向上
鍼灸マッサージでは、”心身の変調を整えて自然治癒力、免疫力を高めて病魔に対応する”という方法をとります。特に、自律神経の変調を整える作用があるとともに、免疫力を向上させる働きがあることがわかっています。
QOL(生活の質)の改善
鍼灸マッサージ治療を行うと、血行が改善するなど全身的に作用するので、食欲が出たり、睡眠状態や便通も良くなったり、足腰肩のこりや痛み等が改善したりというようにQOLが高まると言われています。QOLが向上すれば、免疫力向上にも繋がりますし、苦痛も減らすことができます。
副作用の軽減
すべての人に副作用が出るわけではありませんが、抗がん剤の副作用は多様であり、人によってさまざまな反応が出ることがあります。指先の色素沈着や浮腫(むくみ)、神経障害による痛みやしびれ、発疹など時間がたてばとれるものもありますが、抗がん剤が変わるごとに違う副作用に悩まされることがあります。鍼灸マッサージは腎障害や肝障害があっても、体表のツボから内部臓器に働きかけて、症状をやわらげることが可能です。治療による副作用が軽減できれば、QOLも向上し元気にもなり、抗がん剤や放射線による免疫力の低下に対しても極力影響を抑える可能性も高くなります。